年末の在庫確認と棚卸の基本
― 確定申告で困らないために、12月に必ずやること ―
年末が近づくと、「売上や経費の整理はしているけど、在庫はそのまま…」という個人事業主の方は少なくありません。
しかし、在庫確認(棚卸)は確定申告・決算で必須の作業です。
この記事では、
- なぜ在庫確認が必要なのか
- 何を・どうやって数えるのか
- よくあるミス
を、初めての方にも分かりやすく解説します。
1. そもそも在庫確認(棚卸)とは?
棚卸とは、決算日時点(通常は12月31日)に手元に残っている商品や材料を数えて、金額を確定させる作業です。
対象になるのは、たとえば・・
- 販売用の商品
- 原材料(小麦粉・砂糖・チョコレートなど)
- 包装資材(箱・袋・シール等 ※業種により判断)
「まだ売れていない=費用になっていない」ため、
在庫は経費ではなく、翌年に繰り越す資産として扱われます。
2. なぜ年末に在庫確認が必要なのか?
理由はシンプルで、利益を正しく計算するためです。
在庫を確認せず、
「仕入れたものをすべて経費にしてしまう」と…
- 実際より経費が多くなる
- 利益が少なく見える
- 税務調査で指摘されやすい
というリスクがあります。
逆に、きちんと棚卸をしておけば
◎ 利益が正確
◎ 説明ができる
◎ 確定申告がスムーズ
になります。
3. 棚卸の基本的な流れ
① 在庫を「実際に数える」
帳簿ではなく、現物を基準にします。
- 商品:個数
- 原材料:kg・g・袋数など
- 使いかけでも残っていれば対象
※賞味期限切れ・廃棄予定のものは別にメモしておきましょう。
② 仕入単価を確認する
原則は、実際の仕入価格で評価します。
例)
- 小麦粉 1袋 3,000円
- 在庫が2袋 → 6,000円
レシート・請求書・仕入履歴がここで役立ちます。
③ 在庫金額を合計する
「数量 × 単価」で計算し、
期末在庫金額を確定させます。
この金額が、
⇒翌年に繰り越される在庫
⇒ 決算書・確定申告書に反映
されます。
4. よくある勘違い・ミス
❌ 少額だから数えなくていい?
→ 金額の大小ではなく、在庫があるかどうかが重要です。
❌ 使いかけは除外していい?
→ 残っていれば原則カウントします。
❌ 面倒だから翌年にまとめて…
→ 年をまたぐと、利益がズレてしまうためNGです。
5. 棚卸表は必ず残しておく
Excelや手書きでOKなので、
- 日付
- 品名
- 数量
- 単価
- 金額
が分かる一覧表を作成・保存しておきましょう。
👉 税務調査
👉 税理士への相談
👉 来年以降の比較
すべてで役立ちます。
6. まとめ|12月のひと手間が、来年を楽にする
在庫確認と棚卸は、
「面倒だけど、やっておくと一番ラクになる作業」です。
- 年内に一度、現物を確認
- 数量と金額を記録
- 分からなければ早めに相談
これだけで、確定申告の負担は大きく減ります。

